友人から誘われて自分だけが合格してしまった

派遣会社を始めたきっかけは、バイト先の友達が面接に行くといったことです。バイト終了時間が一緒で、用事もない日でしたので軽い気持ちで一緒に面接を受けることにしたことがきっかけでした。その頃私は、前仕事を退職し、これから先何の仕事をしていこうか思案していた時期だったのです。

友人は電子専門学校に行っていました。なので、面接先はその系統の仕事だとは思っていたのですが、外で待つよりは申込みだけだしと一緒に受けたのでした。履歴書のような書類をその場で書き込んで提出。これが1次面接でした。

その後、友人はその面接に落ちて私が残ってしまいました。 私が受かった理由は、その場では分かるはずもありません。とにかく2次面接に行って見ることにしました。 友人には申し訳なく、合格した旨を話したら笑顔で「気にしないで~他にもいくつも受けてるから~」とあっさり。 2次面接を受けて分かったこと、それは電子専門学校に行って勉強し、知識も実力もある友人が落ちて、全くコンピューターに無縁の私が面接に残った理由。 それは「人前で話せるか?人に対して説明ができるかどうか?」ということだったのです。 二次面接に行った時にその旨を話されて、びっくりでした。 私は実は3年程、大手のバス会社に勤務し観光バスガイドとして社会経験があったのです。 バスガイドは人に情報を伝え、説明するのが仕事。人を相手にする仕事ですから、接客の基本と話し方の基礎教育はもちろん、実務経験も3年ほどありました。

面接時には「人前で話すのは仕事でしたし、ある程度暗記して人に伝えることは可能である」ということを説明しました。 しかし、大変残念ではあるがコンピューター関係の知識は全くない旨をきちんと話しました。 できないことをできると言って合格しても、全く意味がありませんし、これで落ちたと理解してその日は帰宅をしたのでした。

ところが数日後またまた連絡があり、3次面接まで残ってしまいました。 全く意味が不明です。ちゃんとコンピューターの経験はないと話をしてきたはずなのですから。 とりあえず受かった以上行かなければいけないと3次面接を受けに行ったら、やっとそこで大手の企業にコンピューターのインストラクターとして勤務して欲しいという明確な説明があり、求めていた人材の形が見えたのでした。

友人が受けていた会社は、プログラマーの会社で、派遣の仕事もしており大手派遣先の子会社でもあったのでした。

3次面接で話されたことは「貴方が経験し、蓄えてきた“人前で話す技術、伝える技術”はすぐにできることではない、しかも私たちには教えられない」という言葉でした。 代わりに「コンピューターの知識は与えられるし、努力をして習得してもらいたい」という言葉を頂きました。 全く何もわからないままでしたが、相手側の求めていた人材がインストラクター=指導員ということで、コンピューター知識と実力は1年待つと言われ、3次を受かったのはよいもののそれからコンピューターの基礎教育を3ヵ月間みっちりと派遣元で受け、その後大手のメーカーに派遣でありながら、正社員の形で採用されたのでした。

ありがたいことに大手のメーカーでも更に3ヵ月間の内部研修・教育を受けさせていただき、その都度、工場への研修や教育を受けさせて頂き育てていただきました。 派遣であっても本当に派遣先の会社によりけりで環境は違うと思います。 もちろん、自分でも努力はしました。 知識ゼロで入った会社なのですから。その会社は、派遣から正社員登用までとなりましたが、結婚後出産の為、退職しました。 1年後復職のご連絡もいただけましたが、子育てを中心にしたので残念ながらお断りしました。

仕事は縁、いくつになっても求められる人材であれば、どこでも働けると思っています。 その為には自分を常に磨き、どんなことにでも貪欲に学んで身に付け「その場で必要な人材」になって行くことが大切だと思っています。 辛い時にはいつも「早くその場に必要といわれる人材にならなければ」と言い聞かせてきました。

こんな時代でも頑張った分はきちんと返ってくると私はそう、思っています。